【初心者向け】なぜオルカンとS&P500が人気なのか?|新NISAで選ばれる理由とデメリットをわかりやすく解説

目次
新NISAを始めようと調べると、必ず出てくる2つの名前。「オルカン」と「S&P500」。
「この2つを買っておけばOK」とよく聞く一方で、「なぜこの2つが良いのか?」「他の選択肢じゃダメなのか?」と疑問に思う人も多いはずです。
僕自身も、2025年現在、新NISAとiDeCoを中心に長期運用をしています。オルカン・S&P500の両方を保有しながら、TOPIXや債券、REIT、物価連動国債などを組み合わせ、リスクを抑えた“攻守のバランス型ポートフォリオ”を組んでいます。
この記事では、実際の投資経験をもとに、なぜオルカンとS&P500が選ばれるのか/どんなメリット・デメリットがあるのか/どう買ってどう続けるのかまでを、初心者にもわかりやすく解説します。
第1章|オルカンとS&P500の違いをまず理解しよう
オルカンとは?
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」。世界約50カ国・3,000社以上の株式にまとめて投資できる、いわば“地球丸ごとパック”のような投資信託です。
- アメリカ・日本・ヨーロッパ・新興国まで幅広く分散
- 1本で世界経済全体の成長に乗れる
- 国や地域のリスクを自動で分散できる(実際は米国比率が高め)
S&P500とは?
アメリカの代表的株価指数「S&P500」に連動する投資信託。Apple、Microsoft、Amazonなど、米国の上位500社にまとめて投資します。
- 世界の株式市場の中心である米国企業に集中投資
- 長期で高い成長を示した期間が多い(将来の成績は不確実)
- オルカンの中身も米国の比率が大きい傾向
第2章|なぜこの2つが「定番」なのか?
理由1:低コストで長期複利を最大化できる
eMAXIS Slimシリーズなど、いずれも信託報酬が業界最安水準クラス。長期ほど“コスト差”が効くため、低コストは正義です。
理由2:世界(オルカン)と米国(S&P500)の両軸が取れる
- オルカン=全世界へ分散(守り)
- S&P500=米国の成長に乗る(攻め)
両方持てば、分散と成長のバランスを1本ずつで確保できます。
理由3:インデックス=「資本主義の仕組み」に乗る投資
株式市場は短期では上下しつつも、人類の生産性向上と企業利益の拡大により、長期では成長を狙う設計。インデックスはその仕組みに乗る投資です。
理由4:初心者が判断ミスを減らせる
個別株や売買タイミングを読まずに、分散・低コスト・継続を自動で満たしやすいのが最大の魅力です。
第3章|どっちを選ぶ?|特徴と違いを一目で比較
| 比較項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 全世界(先進国+新興国) | 米国上位500社 |
| 分散度 | 非常に高い(米国比率は高め) | 集中(米国一本) |
| 為替 | 複数通貨にまたがる | 主に米ドル |
| 値動き | 比較的マイルド | 上下の波が大きくなりやすい |
| 相性 | 広く分散したい人 | 米国の成長を厚めに取りたい人 |
結論の目安:初心者はまず「オルカン1本」でOK。慣れてきたら「S&P500を少し足す」=“世界+米国の二刀流”。
第4章|デメリットと“現実的な対策”
1. 暴落時の下落
株式100%のため、−30〜−40%級の下落はありえます。
対策:買付日は固定してドルコスト平均法を徹底。下落時も自動で買い続ける設定にして“手を止めない”。
2. 為替リスク
円高時は円換算で評価額が下がります。
対策:長期積立で為替を平準化。心配なら、ポートフォリオの一部に為替ヘッジ付き先進国債券や国内債券・物価連動国債を入れてボラティリティを抑える。
3. 米国偏重リスク(S&P500/実質的にオルカンも米国比率大)
米国が長期で不調の期間もありえます。
対策:オルカン+S&P500の併用、TOPIXや新興国の少量ミックスなどで“国当て”に賭けない。
第5章|“買い方・続け方”の運用ルール(テンプレ)
1) 積立設定
- 新NISAの積立設定で毎月同日に自動買付
- 商品:オルカンをベース/慣れたらS&P500を少量追加
- つみたて枠は“ほぼ放置”、成長枠は年1回だけ見直す
2) リバランス
- タイミング:年1回(月は固定)
- ルール例:当初比から±5%以上ズレたら、追加買付で調整(売却は極力しない)
3) 増額/減額の目安
- 収入が増えたら:まずオルカンの積立額を増やす
- 収入が減ったら:“攻め”側(S&P500など)を減額し、継続を最優先
4) 売却について
- 新NISAは長期非課税が前提。原則売らないで積み上げる
- 取り崩しは目標時期の5年前から、等金額・等比率で分割売却
第6章|30秒で決める分岐(診断チャート)
- 価格変動に弱い/不安になりやすい → オルカン中心
- 米国の成長を厚めに取りたい → S&P500を少量追加
- 為替や暴落が怖い → 債券(ヘッジ付含む)や物価連動国債を一部ミックス
- それでも迷う → オルカン100%でOK(まず続ける)
第7章|よくある誤解(神話を壊す)
Q. S&P500の方が常に上?
A. 過去の区間によって優劣は入れ替わります。将来は誰にも読めません。だから分散。
Q. オルカン=米国の劣化版?
A. 世界平均に乗る設計です。“国を当てる賭け”をやめられるのが価値。
Q. 高配当の方が有利?
A. 新NISAは配当も非課税ですが、再投資の手間や分散の効きなど総合で比較を。インデックス積立は“仕組みで続ける”ことに強みがあります。
まとめ|世界の成長を“仕組みで”味方にする
オルカンもS&P500も、人類の生産性向上に賭ける投資です。何を買うか以上に大切なのは、どう続けるか。積立設定・買付日固定・年1リバランス――この3点を機械的に回せば、迷いは消えます。
今日の結論:迷ったらオルカン1本で始める。慣れたらS&P500を少し足す。継続・分散・低コスト。これが長期投資の勝ちパターンです。
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執筆者
レオン兄さん
個人事業主・フリーランス歴12年。現在の総資産は2,000万円、新NISA・iDeCo・小規模企業共済などを活用しながら、実体験ベースで資産形成を継続中。ホームページ制作やマーケティング支援をメインに活動中。ココナラ累計売上は1,400万円を突破。
私と同じ、個人事業主・フリーランスの方に向けて、お金を稼ぐ・守る・増やす、そして、生き残るために、私が学び体験したお金の知識や情報を発信しています。